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タリス 40声のモテット「我、汝の他に望みなし」 [タリス 1505-1585]

イギリスのトマス・タリス(Thomas Tallis 1505頃~1585)作曲のSpem In Alium「我、汝の他に望みなし」です。
合唱曲は、ソプラノ、アルト、テノール、バスの4声部が一般的ですが、この曲はその10倍の40声部もあります。


構成は、ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バスの5声部が1組となり、それが8組。
5声部×8組=40声部となっています。

ちなみに1ページ目はこんな感じで40段あります。(クリックで拡大)
Tallis_Spem_in_alium_full_score.jpg
全部の楽譜はこちらです。

ファイル容量が5MBを越えるのでYouTubeで公開です。


【2012.3.3 修正しました】

※一人で40声を歌い多重録音しました。
2012.1.29~2.26録音
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Promusica

いととはりさんnice! ありがとうございます。
by Promusica (2012-02-28 01:36) 

音声多重録音ファン

40声って凄いですよネ!
吹き込み大変だったでしょう。。。Promusicaさんは通常4声、5声マドリガルとか1声部3回として15回ほどでしょう。それが約3倍弱、頭の中混乱しませんでしたか?
聴いた感想は聖堂の薔薇窓から色とりどりのガラスより注ぐ光のシャワー、そして香木を焚いた煙りでトランス状態に陥る感じですね。

当時今のような合唱団のような形態は無かったと思います。(間違ってたらすみません)
楽譜だって手書きのパート譜、8郡の集まりなのでオケゲムが歌う絵画に1つの楽譜を取り囲んで歌う図があるがそういうのが慣例だと思う。
8部手書き(木版か?)すればすむと思うが、ところが現代譜に直すと『何じゃこれは、小さくて見えない!!』って現象が起きます。
取り囲み形式ならばそれほどビックリする楽譜形態にならなかったのではないだろうか?ただし休みの部分が多いいので2,3,4間に縦線(休符)が何本も引かれて間隔は狭いがそれを勘定するだけでも大変で果たして会わせられるかもはなはだ疑問に感じる。

それなりに歌える修道士(多分)が所々何役かこなし、次の小節40~45、69~75、86~87、108~109、121~最後までが40声重なるわけだから余り歌えない歌手は上記の小節だけ覚えて、入るタイミングを先導してもらえれば何とかなるのかな~。。。

それにしてもSop、ALt2名×8郡=16名の高声が必要で、その頃変声期前の小年が教会でこの様に難しい曲を歌えたと思えない、カストラートかファルセットで歌っていたのだろうか、推測ですが半分の8名くらいは去勢歌手だと思う。。残りはファルセット。(ただの直感です)

私はこの曲のいわれを知らないので勝手なことばかり書きましたがどうかお目こぼしを。。。
by 音声多重録音ファン (2012-03-01 19:29) 

Promusica

音声多重録音ファンさん ありがとうございます。

>吹き込み大変だったでしょう
ソプラノから順に録ったのですが1パート目を録り終えたとき、気が遠くなりました。(笑)

この曲は、エリザベス1世の40歳の誕生日のために作られたらしいのですが、実際に演奏されたかはどうかは私も知りません。
当時の一般的な合唱曲は小編成であったろうと思われますが、この40人というのは、やはり異例でしょうね。
仮に演奏されたとしても当時の人にとっては、受け入れがたかったかも知れません。

演奏されたとすれば、各グループ毎に楽譜がありそれを各人あるいは、囲んで歌ったのでしょうね。
それでも間が結構あるので数えるのが大変そうですね。
by Promusica (2012-03-02 02:36) 

シズコ

こんばんは。

一昨日アップされたのを拝見して本当に吃驚しました。
本当に録音されるとは思って無かったです。(ごめんなさい)
もしあるとしても、もっとずっと先だと思っておりましたので、本当に驚きました。
まだ私は体調が狂ってるので、8分の長い演奏はあとでゆっくり聴かせて頂きます。
でも、楽譜拝見しました。凄い楽譜なんですね。
よく高校生がこの曲を70人で歌ったと思います。(福島高校男声合唱団の生演奏がこの曲の私の原点なので。)
またゆっくり演奏を拝聴してから伺います。
まだ日中は全く起きられなくて、暫く昼夜逆転してます。
私の好きな作家「大草原の小さな家」を書いたローラ・インガルス・ワイルダーの言葉で「音楽は流れているのに、それを表現する言葉が無い」と言う言葉を残しているのですが、此処一ヶ月ずっとそんな感じでブログもメールも何も出来ないまま過ごしています。
「我、汝の他に望みなし」と言うタイトルもあるのですね。
蛇足ですが私が福島高校の演奏を聴いたときは「御身より我は」と言うタイトルで、そのタイトルにも非常に魅かれました。
日本語訳を読んでみたいです。
また元気になったら伺って聴かせて頂きますね。

by シズコ (2012-03-02 03:21) 

Promusica

シズコさん どうもありがとうございます。

>本当に録音されるとは思って無かったです。
正直はじめは、途方にくれました(笑)

2~3分の4声だったら土日2日もあれば録音できるのですが、普段は歌わない平日の夜も少しずつ録音をためていきました。
それでも1ヶ月ほどかかりました。

タイトルは、ブログに掲載する際に調べたのがこれだっただけで、それまではあまり考えていませんでした。
歌詞の意味は、そのうち調べてみましょう。

体調がすぐれないとのことですが、確かに8分は長いし、落ち着くとか、静かに聴くとか言うたぐいの音楽では無いかも知れません(どちらかというとうるさい!)。
今度は静かな曲を歌おうと思っています。

私も最近昼夜逆転していますが、お身体お大事に。落ち着いてからごゆっくりお聴きください。
by Promusica (2012-03-02 04:17) 

音声多重録音ファン

シズコさん、
>。(福島高校男声合唱団の生演奏がこの曲の私の原点なので。)

大変懐かしい響きです。
実は私横浜出身で55歳の時会社の都合で福島市に転勤となり6年住んでおりました。(定年後の今は横浜で同じ会社の現役技術職)そして去年の3/11稀有の大震災を体験しました。。そのとき正直死ぬかと思いました。

可也強い余震もあり電気、水道、ガス、ガソリンもなく雪混じりの寒さ、夜は余震が怖く地区センターの体育館の板張りで寝ました

何が辛いって板張りで寝ると背中と腰が痛くなり4日目からはアパートに戻り寝ました。(笑)
早いものでもう一年ですネ!

福高ということで、東北の合唱界を先導していたF.M.C合唱団(福島市で唯一パレストリーナから美空ひばりまで歌う混声合唱団)の方かと思いましたが山形なんですね
福高の練習は会社近くの高湯温泉に行く途中の地区センターで練習しておりました。

メッセージ読んでて男子校で何故混声の曲?と、思いましたがシズコさんの学校との合同だったんですね。。。。(納得)

シズコさんあなた様のサイトにコメントさせていただきました。ご覧下さい。
by 音声多重録音ファン (2012-03-02 20:10) 

Cecilia

聴かせていただきました。
大変ダイナミックな合唱に驚嘆しました。タリスの合唱曲には「静か」「透明感」のイメージがあったので。この手の合唱曲を歌った経験がなく勝手にそう思い込んでいました。「透明感」ははずれてないと思いますが、このような曲もあったのですね。
多重録音の経験と技術をお持ちとは言え、これだけの声部を一人でこなすのは大変だったと思います。お疲れ様です。

by Cecilia (2012-03-23 08:45) 

Promusica

Cecilia さんありがとうございます。
あまり演奏される機会はないと思いますので、多重録音にはもってこいの曲かもしれません。
実際に演奏となると40人が同じように練習し、しかもずれないようにあわせるのは結構難しいのではないかと思います。
普通は、他のパートを聴きながら歌うのですがこれだけパートがあるとどれがどれだかわからないでしょうね(笑)
by Promusica (2012-03-23 22:08) 

シズコ

Promusicaさん、こんばんは。
やっと聴かせて頂きました。本当によくなさいましたね!
まず、惜しみない拍手を送らせて頂きます。’Spem In Alium’。この曲を改めて聴かせて頂き、本当に私にとって、この曲は特別なんだと思いました。聴かせて頂いているときもドキドキし、今聴き終わってもドキドキしています。

率直な感想を述べさせて頂きます。「きれいすぎる」かな~?と正直感じました。あと、私はこの演奏が聴きたくて、洋版のプロ・カンツィオーネ・アンティクワのCDを買ったのですが、その演奏を聴いた時と、Promusicaさんの演奏が似てるなあと思いました。

何度も申し訳ないのですが、私のこの曲の原点が、28年前青森の県民開館で18歳の時聴いた、福島高校男声合唱団の演奏なので、この曲を聴くたび、真っ暗な夜、県民開館一杯に人が入って、私たちは通路で座って全身耳にして聴いていた、あの異様ともいえる瞬間を、未だにはっきり体が覚えているのです。今実は、Promusicaさんの演奏が終わった後、出てきたThe People's Chorus Spem in Alium.m4vの演奏を聴きながらコメントさせて頂いているのですが、こちらが非常に福島高校の演奏に似ています。荒削りなんですが、人数の迫力があり非常に似ています。(700人の演奏って凄いですね!)
楽譜が無いのでよくわからないのですが、Promusicaさんの演奏では、三箇所、「あ」と思ったところがありました。2分20秒目、4分20秒目、あとは6分29秒目あたりです。最後の6分29秒目は転調してたからでしょうか?まざまざと青森の真っ暗な中で聴いた信じられない40声部の演奏を思い出し、背筋が震える思いで聴かせて頂きました。

人は一生のうちに、「背筋が震える演奏」って何回あるのでしょうか?私はそういう演奏に会えたら至福の喜びだと思うのですが、私はこの演奏をした、福島高校の演奏と、今所属している教会でクリスマス礼拝で歌ったハレルヤの二回です。
背筋が震える演奏って、人によって違うんでしょうが、私にとっては決して上手な演奏ではないようです。結局、心に染み入る音楽なんでしょうね。
Promusicaさんのこの演奏を聴かせて頂くには、体調が治らないとというのもありましたが、実は凄く勇気が必要でした。もう私の中で'Spem In Alium'は福島高校男声合唱団が上書きされた状態だったからです。でも、今日聴かせて頂いて本当に嬉しかったです。今、静かな深夜です。少し心も落ち着いてきました。

Promusicaさん、本当に40声部なんて人間業ではないような(笑)曲に、よく取り組んで発表して聴かせてくださいましたね。本当にありがとうございました。

この曲を聴かせて頂いたことは勿論ですが、私はこうして、Promusicaさんと知り合い、Promusicaさんの音楽を聴かせて頂けることが本当に嬉しいです。これは私の感想なのですが、Promusicaさんの演奏には一本何か・・・適切な言葉が見つからないのですが、「誠実」とかそう言う、真面目さが感じられて、私はとても好きだからです。

本当に素晴らしい演奏を聴かせて頂きありがとうございました。
また寄らせてください。

追伸:山形市はやっと昨日20日、桜のつぼみがほころび始めました。
山形市内だけです。まだ県内は雪がたくさんあるところもあります。
我が家の白梅は美しく咲いています。
私はお陰様でかなり欝のトンネルを向け、私の人生も春を迎えられそうです。ただ、長くひいている風邪を治さないと。
これからもよろしくお願いします。

オヤスミナサイ。

シズコ
by シズコ (2012-04-21 01:26) 

Promusica

シズコさん ありがとうございます。

良い思い出を壊したのではないかと心配です(笑)
実際の演奏は、別物でしょうね。
録音すると、特に多声部になるほど音が詰め込まれて平面的になるのですが生の演奏は、一人一人の声が確実に聞こえるので(意識するしないにかかわらず)立体的に広がって聞こえるのでしょうね。
本物を一度聴いてみたいものです。

これを聞かれたのが28年前とのことですが、偶然にも私がYouTubeにUPしている演奏が同じく28年前の演奏です。
私が(合唱団としても)初めてコンクールの全国大会で歌った時の映像です。ベータカセット(今の人は知らないかも)からの録音なので音があまり良くありませんが良かったら見てください(笑)
(このサイトの右上にある「Promusicaのサイト」のYouTubeをクリック)

山形の桜はこれからですね。日本は広いですね。
それでは、お風邪の方大事になさってください。
ホントにありがとうございました。


by Promusica (2012-04-21 04:41) 

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